登場人物



お玉(おたま)


 お玉とは萬燈の花形である女の子の踊り子です。現在は小学一年生から六年生
の十二人が務めてくれております。その名前の由来は以下のように数説あります。


一、かつて萬燈町内には芸妓さんの置屋があり、芸妓さん見習いの少女から萬燈
に参加して頂いていた。年少の見習い芸妓を「半玉」と呼ぶことから、それをもじって
「お玉」と呼ぶようになった。

ニ、萬燈が発祥した際、その立ち上げに加わった踊り子さんが「お玉さん」という方
だった。

三、伊勢神宮の間の山に石碑があり、伊勢音頭にも出てくる、お杉「お玉」という有
名な芸者さんにちなんでいる。


お玉は萬燈独特の化粧や着物で着飾りますのでたいへん可愛らしいです。 


ひょっとこ(ひょっとこ)


 萬燈の上で踊る男の子であり、もう一つの萬燈の花形です。現在は小学四年生から六年生の男の子で、四から六人が務めてくれています。

 ひょっとこの名は竈(かまど)の火を起こす火男から来ていると言われております。火男は地方によって火の神様との信仰もあり、また、竈の火が消えたり燃え盛ったりする様は家の衰勢に例えられることから、竈の火を守るひょっとこは、転じて家の繁栄をもたらす縁起の良い神様と考えられています。


金棒(かなぼう)


 金属製の棒を持ち、お玉を守る男の子を金棒と呼びます。現在は小学一年生から三年生までの六人が務めてくれています。じっとしていることが仕事なので、小さい子には大変辛い役割です。



若連中(わかれんちゅう)


 萬燈組の若い衆。昔は十五歳になると参加することができましたが、お祭りといえば飲酒、喫煙などと接する機会も多いため、社会情勢を配慮し、現在では原則的に二十歳から六十歳くらいの成人男子で構成され、約百五十から二百人の規模で運営致しております。

 お祭り当日は、巴の紋の入った揃いの浴衣を身に纏い、捻り鉢巻に足袋裸足で、朝から晩まで全身全霊をもって萬燈を披露致します。


inserted by FC2 system